許可の要件と欠格要因
運送業許可に絶対必要な5つの要件
この5つの要件を全てクリアしないと許可は下りません。
1.場所的要件
営業所、休憩・睡眠施設、車庫の3つを用意できることが条件になります。
【営業所・休憩施設】
営業所とは、事業者の営業の本拠であって事業活動の行われる一定の場所をいいます。本社と同じ建物の場合もあります.別に営業所を設ける場合もあり,個人の自宅でもアパート、テナントでも可能です
① 用途地域の問題
通常、市街化調整区域は認められておりません。
② 所有者又は管理人により、事務所として使用が認められているもの。
居住専用でないこと。
③ 必要な備品を備えているなど、事業を行うのに適切なものであること。
④ トラックの安全運行の確保のためには、ドライバーのための適切な休憩・睡眠施設を備えることが必要になります。
【車庫】
① 地目が農地でないこと。市街化調整区域でも可能です。
② 営業所から直線距離で10㎞以内であること(東京23区、横浜、川崎は20㎞)
③ 前面道路が車両制限令で定められた範囲であること。
④ 車両と車庫の境界、及び車両と車両の間に50㎝以上の間隔を確保すること。
2.資金的要件
① 資金要件とは、運送業を営業する資金を、確保できるかどうかを判断する条件のことです。
② 自己資金が申請日以降許可日までの間、常時確保されていること。
同じ金融機関の同じ口座の残高証明書を、適時2回提出します(原本)
※ 貨物自動車運送事業を経営して行くには、輸送の安全が前提となるため、多額の資金力が必要になります。各要件とともに事業者にとって、一つのハードルとなります。
3.人的要件
① 欠格事由に当てはまらないこと
事業主及び役員全員が、次にあげる貨物自動車運送事業法5条の欠格事由に当てはまらないこと。
ア 1年以上の懲役または禁錮以上の刑に処せられ、その執行が終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
イ 一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の許可取り消しを受け、その取り消しの日から5年を経過しない者。
ウ 未成年者又は成年被後見人。
② 運行管理者を確保すること
運送業の営業所には、車両台数に応じた運行管理者を置く必要があります。
ア 0~29台 1人
イ 30~59台 2人
ウ 60~89台 3人
③ 整備管理者を選任すること
整備管理者とは、自動車の整備や点検の実施、整備記録の管理、車庫の管理等を行います。運行管理者との兼任も可能です。
4.役員法令試験
この法令試験を最短で合格できるかどうかが、一般貨物自動車運送許可を短い期間で取得するカギとなります。
法令試験は、事業者が許可申請をしたあと、奇数月に運輸局にて実施され、一般貨物自動車運送事業を営業する役員だけが受けることができます。
法令試験の結果が不合格の場合、翌々月に1度だけ再試験を受けることができます。
奇数月に受理された場合は、翌々月の奇数月前半に、偶数月に受理された場
合は、翌月の後半が試験日となります。
1月申請 → 3月上旬に試験
2月申請 → 3月下旬に試験
再試験でも合格点に達しなかった場合は、許可申請を自ら取り下げる必要があり、取り下げない場合は申請が却下となります。
法令試験は30問出題され、合格点は24点以上(8割以上)となっており、参考書などの持ち込みは不可ですが、関係法令等の条文が載った条文集が配布されます。
出題形式は2択問題や語群からの選択問題です。かなり厳しい試験ですが、運行管理者試験の問題が理解できていれば合格は十分可能です。
5.車輛の要件
① 5台以上の車両を用意すること
運送業はトラック1台では始められません。運送業を始めるには5台以上の車両が必要になります。(霊柩運送、一般産廃物運送、一般的に需要の少ないと認められる島しょの地域における事業については、5両に満たない場合の特例が設けられています)
けん引車と否けん引車はセットで1台とカウントします。1ナンバー又は4ナンバーの車両になりますが、軽自動車は含まれません。
② 使用権原があること
運送業の車輛は、車検証の所有車や使用者が必ずしも申請者名義で無くてもかまいません。その場合は使用者権限があることを証明することになります。
自己所有 → 車検証の写し
リース → 契約書(1年以上)
オートローン、新規購入 → 契約書