運送業許可について
運送業界の現状は
物流・運送はライフライン
私たちはコロナ渦・災害時を経験し、物流が途切れるとたちまち生活が成り立たなくなるため、ふだん物が届きそこにあるのが当たり前ではなかったことに気づきました。
物流業界は、私たちが生活するうえで不可欠な社会インフラを支え、日本経済の根幹を担う大切な業種だと言えます。そして「輸送の安全が第一である」ことから国は非常にきびしいコンプライアンスを求めています。
行政書士業務としては、許認可の取得して終わりではありません。すぐに運送事業を始められるわけでもありません。巡回指導や労務面での法改正も頻繁にありますから、運送事業者だけでは追いつかない場面が多くあると感じています。
また、建設や産廃、古物商とも相性が良く、運営面でのコンサルティング要素が求められます。何よりお客様のお手伝いができて喜んでいただける魅力的な業務だと思っています。
貨物自動車運送事業とは
運送業の種類
貨物自動車運送事業は貨物自動車運送事業法により「一般貨物自動車運送事業」と「特定貨物自動車運送事業」「貨物軽自動車運送事業の三つに分類されます。
人を乗せる旅客自動車運送事業は、別の法律で規制されています。
ただし、霊柩車は貨物運送事業に分類されます。
「一般貨物自動車運送事業」とは
「一般貨物自動車運送事業」とは法律的にいうと、他人の求めによって有償で、自動車(三輪以上の軽自動車と二輪の自動車を除く)を使用して貨物を運送する事業で、特定貨物自動車運送事業以外の物をいいます。かんたんに言うと、人から依頼されてトラックで荷物を運び運賃をもらう仕事です。
運賃をもらうためには、貨物自動車運送業の許可が必要ですよということです。
運ぶ荷物は
①食品 ②建築資材 ③衣料品 ④自動車部品 ⑤日用品 ⑥海上コンテナ ⑦書籍 ⑧書類 ⑨通販商品 ⑩精密機器など、私たちが生活するうえで目にするものすべてと言っていいでしょう。
「貨物自動車利用運送」とは
貨物自動車運送事業法上の「貨物自動車利用運送」とは、一般貨物運動事業を経営する者または特定貨物自動車運送事業を経営する者が、他の事業者の行う運送を利用する貨物の運送をいいます。
自社が引き受けた運送を他の事業者に下請けに出す運送形態は、最もわかりやすい貨物自動車利用運送といえます。
一般貨物自動車運送事業許可は必要?
「緑ナンバーと白ナンバーの違い」
幹線道路を走っていると、1トンぐらいから大きな11トンの箱形トラックやダンプカーを見かけます。同じトラックでもナンバープレートの色が違うのに気づくことがあるかもしれません。
「緑ナンバー」は他人の荷物を運賃をもらって運ぶ営業用です。荷物の輸送を専門にする事業者が行う営業用トラックのことです。荷主から預かった荷物をトラックに載せ、目的地まで運ぶことで報酬を得ることに使用するトラックのことです。
それに対して、自社の荷物を運んでいるトラックにつけられているのが、白ナンバープレートです。「白ナンバー」は本来、自社の荷物だけを運ぶことしかできません。自社の荷物を運ぶ自家用トラックで、荷物を運ぶことで運賃をもらうこともできません。製造業などが、自社製品を各店舗などに運ぶときに使用するトラックがこれにあたります。この場合は自分で自社の製品を運ぶので許可はいりません。
その違いは、「営業用」と「自家用」だけではなく、「営業用」には貨物法におけるきびしい義務が課されています。一例を挙げますと、運転時間・拘束時間の制限、資格者の確保や研修、業務前後の点呼・アルコールチェック、車両の増減対応、営業所や車庫の移転・増設の認可申請、社会保険の加入、社内教育などです。また、これらが正確に遂行されているかどうか、適正化事業実施機関の「巡回指導」が数年に一度実施されます。担当者が営業所に訪問し、すべ他の帳票類をチェックしていきます。帳簿書類の不備や長時間運転などがあると、厳しく指導されます。そのうえ改善点を指摘されて、改善後には改善報告書や関係資料の提出を求められます。
時代の変化や要求はどんどん速く細分化され、国は法改正が遅いと言われながら、長時間運転や酒帯び運転などに対応していくために、必死で法改正などで業界を正しく規制しようとがんばっています。その一つの表れが「一般貨物自動車運送事業許可」です。許可要件は厳しくなりましたが、その考えは間違っていません。コンプライアンスの本当の意味を理解する事業者が、社会のライフラインを担い、健全に運送事業を発展させていく内容になっています。社会からの必要な要請といえるでしょう。
もちろん、運送事業開始後の営業所・車庫などの変更認可、届出、報告書提出義務にも対応いたします。
営業所・車庫新設、移転、廃止認可申請
新たに営業所を設ける場合や、営業所を移転するときなどに申請します。「事業計画変更認可申請」になります。
営業所、休憩施設と車庫の場所的要件は、新規許可の時と同様です。営業所の用途地域や車庫との距離、車庫の前面道路幅員や農地等に注意しましょう。
また、新設の場合は、認可後に運行管理者・整備管理者の選任、連絡書の発行手続きも、新規申請と同じく必要になります。移転の場合は管轄の陸運局が変わる場合は、ナンバー変更と連絡書の発行が必要です。
申請書には新しい情報だけでなく、旧情報の記載も必要になりますので注意しましょう。
第一種貨物利用運送事業の追加について
一般貨物自動車運送事業の許可を取得後、利用運送を追加する場合には、認可申請が必要になります。
①様式 一般貨物自動車運送事業の事業計画変更認可申請書を使用
②申請先 営業所住所を管轄する運輸支局
③標準処理期間 大体3ヶ月程度
④送委託契約書の写しが必要
⑤営業所の写真が必要
⑥委任状必要
※ 第一種貨物利用運送事業の新規登録は、純資産300万円以上の要件があります。
事業報告書、実績報告書提出義務
運送業事業者は、毎年決まった時期に必ず提出しなければいけない報告書が2種類あります。
1.事業報告書
事業年度毎の決算報告となるもの。
2.事業実績報告書
輸送のトン数や走行距離などを報告するもの。
それぞれ決まった期日までに、運輸支局に提出しなければなりません。
未提出の場合、事業計画の変更ができないことになります。
また、巡回指導で指摘を受けることになりますので、とても重要な書類提出義務になります。
貨物自動車運送業を専門行政書士に依頼することは、さまざまなメリットがあります。また、すでに貨物軽自動車運送業を経営してる事業者さんにとっては、「一般貨物自動車運送業」を取得することは、単価が上がり事業が収益化することでしょう。 許可・認可取得や事業計画変更をお考えの方は、確かな実績と経験のある伊橋行政書士法務事務所に、お気軽にご相談ください。
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