建設業の会社を設立する際、建設業許可を取得するか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。建設業を行う場合、軽微な建設工事のみを請け負うのであれば、建設業許可は必要ありません。しかし、建設業許可を取得しておけば、軽微な建設工事以外も請け負うことができます。
今回は、建設業許可とは何か、建設業許可を取得するメリットについてご紹介します。
建設業許可とは
建設業許可とは、建設業法で定められた建設会社の取り決めのことをいいます。建設業法によると、建設業で会社を設立する方は、政令で定める軽微な工事以外を請け負う場合に、建設業許可が必要であると定めています。
軽微な建設工事とは、以下の工事のことを指します。
- 工事の請負額が税込1,500万円未満であること
- 延べ面積が150㎡未満の木造住宅であること
これ以上の建築を行う場合は、建築業許可が必要となります。
建設業許可の種類
建設業許可は、営業所の場所によって、国土交通大臣または都道府県知事が許可を行います。国土交通大臣による許可を「国土交通大臣免許」と呼び、都道府県知事による許可を「都道府県知事免許」と呼びます。
国土交通大臣による許可は、47都道府県の内2都道府県に営業所を設立する場合に必要です。都道府県知事による免許は、47都道府県の内1都道府県のみに営業所を設立する場合に必要となります。都道府県知事による免許だと、県外の仕事を請け負えないわけではありません。
営業所自体は47都道府県のなかで1つのみとなりますが、そこから県外の建設工事を請け負うことは可能です。
建設業許可には2種類あり、「一般建設業」と「特定建設業」に分かれます。特定建設業とは、建設工事を請け負う際に代金が4,000万円以上になる場合に必要です。一般建設業はそれ以外の工事に必要となる許可です。
建設業許可を取得するメリット
建設業許可を取得することによって、大規模な建設工事を行うことができます。しかし、それ以外にもさまざまなメリットがあります。
そもそも建設業許可を取得するためには、建設会社が許可を取得できるレベルに達していなければなりません。建設業は衣・食・住のうち住を提供することになるため、とても重要な業種です。お金も大きく動くことになるので、資金調達能力や信頼性、誠実性が必要となります。建設業許可を得ているということはこのすべての条件を証明することになりますので、社会的な信頼性を得るために必要不可欠なのです。
公共工事を請け負うことができる
建設業許可を取得し、経営事項審査、入札参加取得を得ることで、公共工事への入札が可能となります。公共事業を直接請け負うことができるのは、ビジネスの成功はもちろん、会社自体も大きな信頼を得ることにつながります。
融資が受けやすい
建設業許可は技術・経営面がしっかりしていなければ取得できません。建設業許可を取得することで信頼性が高まるため、融資を受けやすくなります。
建設業許可取得の条件のひとつに、「事業に対しての一定以上の経験年数または500万円以上の財産的基礎」があります。許可を取得しているだけで、この条件を満たしていることが分かるので、融資機関も融資がしやすくなります。
建設業許可の取得条件
建設業許可を取得するためには、さまざまな条件をクリアする必要があります。一般建設業許可を得るためには、以下の条件を満たすことが大切なので、まずは確認してください。
- 経営業務の管理責任者になれる者が所属している
- 専任技術者になれる者が所属している
- 財産的基礎がある
- 欠格要件に該当していない
- 営業所がある
経営業務の管理責任者は、個人事業の場合は本人であることが望ましいとされています。法人の場合は、常勤の役員であることが条件となります。専任技術者は、建設業務に対する専門的な知識や経験を持っている方であり、営業所ごとに専属で業務を行っている方が条件です。
また財産的基礎については、純資産が500万円以上であり、500万円以上の資金調達能力が必要とあります。営業所についても、建設工事を請け負うための営業ができる事務所があることが条件となります。
最後に、どの業種でも必要とされている「欠格要件」に該当しないことが条件となります。欠格要件とは、反社会的勢力でないことが大前提であり、申請書類に虚偽を記載しないことです。
まとめ
建設業許可とは、さまざまな取得条件をクリアすることで得ることのできる信頼の証です。軽微な建設工事を請け負う場合でも、建設業許可を取得していることでさまざまなメリットがあります。
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建設業許可の取得サポートも行っているので、許可の取得について悩んでいる方はまず一度当事務所にお気軽にご相談ください。